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腫瘍について [腫瘍]

 今回は腫瘍についての話をさせてもらおうと思います。

 腫瘍とは「本来自己の体内に存在する細胞が、自律的に無目的かつ過剰に増殖する状態」と定義されます。

 ざっくりいうと「体の中の細胞が勝手に増えすぎてしまう」ということです。

 腫瘍の中には良性腫瘍と悪性腫瘍とがあり、転移して体のあちこちに散らばって増えていくのが悪性腫瘍で、転移せずにできた場所でじっとしているのが良性腫瘍となります。(細かく言うともっといろいろな定義があるのですが、ここではおおまかに分けさせてもらいます。)

 よく診察の中で腫瘍の話をさせていただいているときに、「がんですか!?」と言われることがあるのですが、がんとは上皮といって皮膚や線細胞(乳腺 etc)の悪性腫瘍のことですので、腫瘍=悪性=がんというわけではありません、良性の腫瘍であれば治療せずにそのままおいておくこともあります。

 悪性腫瘍は体のあちこちに広がって悪さをしたり、腫瘍自体が体に対して悪さをすることがあるので、できるだけ早めに治療に入ってあげた方がいいです、また良性であったとしても、見た目に問題があるもの、大きくなって日常生活に支障がでるものや、自壊といって腫瘍が維持できなくなってしまい中が壊死してしまう(腐ってしまう)ようなものは治療の対象になります。

 腫瘍の治療には三大治療と呼ばれる外科療法、化学療法、放射線治療や、そのほかの治療があり、できた腫瘍や動物の状態、治療を行う施設の状況などにより治療を選択していきます。(これについてはまたいつか話をアップしたいと思います。)

 最近では、お家で飼われているペットの平均寿命がのびていることや、昔に比べて動物病院の検査機器が充実していたり、ペットが検査を受ける機会が増えていることで、腫瘍が発見されるケースが増えてきています。

 腫瘍の種類にもよりますが、早期に発見できたものであれば、たとえ悪性腫瘍であったとしても治療により完治が見込めるものもあるため、定期的な健康検査を受けてみたり、普段からお家でペットの様子をよく見てもらって、何か少しでも気になることがあれば当院もしくはかかりつけの獣医さんに相談してみてください。

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「もなかの出番は無しですか・・・」
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コメント 3

さくらとすみれ

この間は桜子がありがとうございました。次の日から、10分の散歩ですが、顔もしっぽも上げて歩くようになりました。桜子がどんなにきつかったか‥。
もっと早く気づいてあげればよかったです‥。
先生のブログを見た方が、がんのワンちゃんを遠くから連れてこられたり、他の先生から紹介されたという方達がいました。
とても丁寧で親切に見てくださる先生ですよとお話ししました。
私のささいな質問にも丁寧に答えて下さり、本当に感謝しています。
ありがとうございました。
by さくらとすみれ (2015-11-11 19:41) 

さくらとすみれ

ビビリな私は病院に行くのはドキドキなのですが、可愛いもなかちゃんに会えるのは楽しみです。
きなこちゃんだったのかもしれないですね。
どちらも可愛いです。
by さくらとすみれ (2015-11-11 19:45) 

ななペットクリニック

 コメントありがとうございます。

 調子が良くなったようでなによりです。ただ前回のような症状は繰り返すこともよくありますので、何かしらおかしなこと、普段と違うことがありましたらご相談ください。

by ななペットクリニック (2015-11-13 19:04) 

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